イエメンでは「ギシル」と「ブン」2種類のコーヒーが飲まれています。ひとつは私達が日頃飲んでいる、焙煎したコーヒー豆(種)の粉を使って作るコーヒーで、イエメンでは「ブン」と呼んでいます。もうひとつは、コーヒーの赤い実の果肉を乾燥させた「皮殻」を使って作るコーヒーで、これをイエメンでは「ギシル」と呼んでいます。イエメン人は何故かこの「ギシルコーヒー」を好んで飲んでいるようです。
コーヒーのルーツとも言われ、その昔、サルタン(権力者、王様)だけに飲む事が許されたと言う大変貴重なコーヒーです。その味は私たちが日頃飲んでいる芳ばしい香りと苦味が特徴のコーヒーとはまったく違い、透明感のあるライトな味わいで、どちらかというとインドの「チャイ」か、漢方薬の「葛根湯」によく似ています。とても血行促進に良い健康飲料で飲むと体が温かくなってきます。現在、世界でギシル・コーヒーを飲んでいるのは、イエメンとエチオピアの一部(主にイスラム教地区)の人達だけです。
ギシルコーヒーの作りかた【材料(1リットル分)】 ◆水・・・1リットル ◆ギシル・・・20グラム ◆カルダモン・・・6ヶ ◆シナモン・・・1/2本 ◆クローブ・・・5~7ヶ (シナモン、カルダモンは軽く砕いておきましょう) ◆乾燥ジンジャー(粉末)・・・少々 ◆グラニュー糖・・・40~50g(お好みで) 【作り方】まず、上記の材料をご用意下さい。
ジンジャー粉末、グラニュー糖以外の材料を鍋に入れ、弱火で沸騰するまで煮出します。
沸騰したら火を切り、再度弱火で煮出す・・、沸騰したら再度切り・・・、これを2~3回繰り返します。
ギシル等が沈殿したらジンジャ粉末とグラニュー糖(味を見ながら少しずつ)を入れて出来上がり。甘めにして飲むのが現地流の飲み方です。
出来上がりのギシルは茶漉しでこして一人前100cc位の取ってのないカップ、もしくはコップについで下さい。
また、ギシルコーヒーは冷たく冷やしても美味しく頂けます。ペットボトルなど密閉できる容器に空気が入らないよう溢れるほど入れ、冷蔵庫などで冷やしてお早めにお飲みください。